予防歯科
予防歯科とは
歯や歯ぐきにトラブルが起こってから対処するのではなく、歯やお口の中の健康を維持し、虫歯や歯周病などの病気を防ぐことを目的とした歯科の医療を予防歯科と言います。虫歯や歯周病になる原因は、歯磨きが正しく行えていない場合や、食生活・生活習慣、歯並びや咀嚼の癖など、多岐にわたります。予防歯科では、患者さまごとに異なる原因を突き止め、健康な歯を維持できるよう支援します。
予防歯科のメリット
01
虫歯や歯周病の予防と早期発見
予防歯科を積極的に行うと、お口の中の環境が良くなるため、虫歯や歯周病にかかりにくくなります。お口のトラブルは初期段階では自覚症状が少なく気づきにくいため、痛むようになった頃には虫歯が大きく進行してしまっていることもあります。歯周病は痛みもなく進むので、気づいた頃には歯が抜けそうになっていることも珍しくありません。定期的に予防歯科に通うことで早期発見、早期治療できるようになります。
02
健康な歯を長く残せる
歯を失うと二度と元に戻りません。削って詰める治療の繰り返しが歯の寿命を縮めます。定期的に歯科に通い、歯の異常を初期段階で発見できれば削らずに歯を残すことができるなど、歯のダメージを最小限に抑えることができます。歯を失えば食事の楽しみが減るだけでなく、栄養のバランスが偏り、健康状態の悪化にもつながります。そうならないためにも予防歯科で今ある健康な歯を守ることが大切です。
03
治療の負担が減る
自覚症状が出てからの治療では、既に状態が悪くなっている場合が多いため、通院期間が長くなり、治療費も増えてしまします。
いったん治療を終えた後、また悪くなってから通院することを繰り返すと、歯の状態はどんどん悪くなっていき、新しい被せ物や装置などに費用がかかる場合もあります。
予防歯科でも通院のたびに費用が発生しますが、お口の状態が悪くなる前に発見でき、少ない治療で済み、出費が抑えられます。
当院の予防歯科でできること
ブラッシング指導
歯磨きした時に出血したことはありませんか?正しい磨き方でないと歯垢を落としきれず、また歯や歯ぐきを傷つけてしまうことがあります。当院では染め出し剤を使って歯にプラークがどの程度付着しているかチェックした上で、歯並びや磨き方の癖に合わせて、正しい磨き方をお伝えしています。セルフケアを怠れば、予防歯科の効果が出にくくなります。正しく歯磨きできているかどうか、定期的に歯科医院でチェックしましょう。
スケーリング
歯ぐきより上に見えている歯の歯石除去をスケーリングといいます。スケーラーと呼ばれる専用器具を用いて、歯の表面に付いた歯石とバイオフィルム(細菌の塊)を取り除きます。軽度の歯周病の場合は、歯肉から上部分の歯石の除去と、適切なプラークコントロールで、完治することがほとんどです。当院では毎秒約25,000〜40,000回振動する超音波スケーラーを使用しているので、頑固な汚れも簡単に除去することができます。
食生活の指導
虫歯や歯周病のかかりやすさには、食生活や生活習慣が大きく影響しています。食事を摂る回数が多い、甘いものをよく食べる、夜食を摂る、軟らかく食べやすい加工食品ばかり食べるという生活は虫歯、歯周病のリスクが高くなります。酸のものや梅干しといった酸っぱいものや炭酸飲料など酸性の食品は歯を酸で溶かしてしまう危険性があります。喫煙、飲酒も口の中の環境を悪くする習慣です。患者さまに合わせて食生活の指導をいたします。
診療の流れ
虫歯や歯周病はお口の中の細菌によって引き起こされます。
このため、予防には原因である細菌の数を減少させる事が非常に重要です。細菌の数をコントロールするには、ドクターや衛生士さんだけでなく、患者さん自身との協力が必要です。
01
カウンセリング
患者さんから主訴や悩みを聞きます。
02
口腔診査
お口の状態を把握するために、お口全体のレントゲンと写真を撮影します。
03
状態説明
その資料を参考に、患者さんにレントゲンや口腔内写真で状態を説明します。
04
初期治療の重要性を説明
主訴の解決方法を話した(痛みなど必要であれば主訴を先に解決する)上で、う蝕や歯周病の原因は細菌によって起こること、これ以上悪くならないよう予防していくことの大切さを話しします。 虫歯治療の前に原因細菌を減らす治療(初期治療)が必要です。
05
治療計画の相談
治療に回数がかかる事を理解してもらった上で、通えるかなど相談して、予防を先に来てもらえるか確認します。
06
予防治療の実施
予防アポで来院してもらい歯周病の検査、問診、根本原因とその除去の説明、原因細菌の除去治療(初期治療)を1回から数回にかけて行います。
07
必要治療の実施
初期治療後、虫歯や親知らずなど必要なところの治療をしていきます。
08
治療後の再評価
治療終了後、再評価していきます。必要があれば初期治療を再度行います。
09
定期検診と継続ケア
3ヶ月から半年毎に定期検診していき、悪くなっていないかチェックしていきます。
治療終了後が ”本当のスタート”
虫歯や歯周病の治療を終えても、習慣が変わらなければ、再発する可能性は高いままです。さらに人間の噛む力は強く、食事をすると体重と同じ程度の力が歯にかかると言われています。そのため治療した部分への詰め物や被せ物が変形し、隙間から虫歯ができることは少なくありません。ですから治療したことがある方こそ定期検診を受け、トラブルが起きる前にメンテナンスを行いましょう。